PCログと勤怠記録の乖離はどのくらい許される?
- 寺島戦略社会保険労務士事務所
- 7月7日
- 読了時間: 2分
上場準備で勤怠の客観的記録のためPCログ等の取得を始めた企業は多いかもしれません。
PCログと勤怠記録を照合することになった場合に、労務担当者がぶつかる壁として「PCログと勤怠記録を照合した結果、結構ずれてる・・・?!?!」ということだと思います。

PCログについてはPCの稼働状況によって(スリープ状態など)、本来労働時間にならないものが労働時間としてカウントされてしまうといったことも起こりえますし、「PCログ=絶対的に正しい」という方程式が成り立つわけではありません。
また、PC稼働がされていたとしてもそれが私的なPC利用の場合にはそもそも労働時間性の要件である指揮命令下にはないとして労働時間カウントが不要ということもあります。
そのため、PCログと勤怠記録のずれというのは多かれ少なかれ発生するもの、と認識していていいと思います。
たとえずれていたとしても、①まずは勤怠記録とPCログがずれているという事実を会社で認識②なぜずれているのかを従業員にヒアリング等で調査③結果として「PCを使ってはいたが、ネットサーフィンしていたので勤怠記録からは抜いていた」ということが判明④
備考欄等でそのずれている理由を記録しておく
こうしたことができていれば、特段ずれが発生していたとしても恐れることはないと顧問先にはお伝えしています。
ただ、たとえば勤怠記録では9時~18時までとなっているが、PCログ上は、8時57分~18時5分となっていた・・・という微妙なずれがある場合も多くあると思います。
こうした場合に、それをすべてヒアリングして、というのは(もちろんできればそれに越したことはありませんが)労務担当者のリソース等からも実務上難しいケースは多くあるとと思います。
何分ずれていたらチェックすべきか、という点について教科書的には1分でもずれていたら・・・というところではあると考えますが、実務上、現実的なラインとしては労働基準監督署の調査等でも、30分程度の乖離があれば乖離程度が高いとして判断されるケースが多く、30分というのは一つの目安になると考えています。
